レイヴと言えば広い屋外で星空や太陽を眺めながら踊り狂う、と言うのが相場だったが、コロナ感染爆発で当分は屋外レイヴはまともにできそうにない(まあ、もともとレイヴなんて普通の人がレジャー感覚で近づける空間ではないが)。
しかし、Little Bigは徹底的にYouTubeでバズることにこだわったMVをリリースし続けている。YouTubeはむしろ“おうちで”楽しむものだ。レコード会社がアーティストにメジャーマーケットにも進出できるよう仕掛けたというより、彼ら自身がユーチューバー的資質と指向(レイヴミュージック好きだけでなく、勉強机の脇にスマホを立てて楽しむような層にまでリーチするコンテンツを提供)をもって作品制作に携わっているように思える。
個人的には、難解で演奏技術や楽曲のクォリティを前面に出したプログレッシブロックに対し、"Autobahn"で牧歌的、ヒーリングミュージック的なアプローチをしたKraftwerkに通じるものを感じる。これはちょっとしたアンチテーゼだ。もしこのたとえでは分かりづらいとしたら、たとえばAKB48あるいはEXILEから発生した日本のアイドル文化が、K-POPと言うフィルターを通じてインターナショナルなクォリティにブラッシュアップされた例も付け加えておきたい。
いずれにせよ、ここからポストレイヴミュージックへのパラダイムシフトが始まるのではないか?